1.はじめに
「子どもの学力を伸ばすには?」と考えると、塾や勉強法を思い浮かべる人が多いですが、意外にも 家庭の雰囲気が大きく影響するのでは?と私は思っております。現場でも、夫婦が交代でお迎えに来るご家庭、行事には夫婦揃って出席しているご家庭の子どもたちの中に、落ち着いており、感情のコントロールが上手な子どもたちが多い印象を持っております。(もちろん全てがそうとは言い切れませんので、私の体験をもとにお話させていただいております)ひとり親のご家庭の子どもたちの中にも落ち着いていて、さまざまなことに意欲的な子どもたちがいます。「落ち着き」「意欲的」これらキーワードはどのようなご家庭で生まれているのか?理由とともにお伝えできればと思います。
2. 夫婦仲が子どもに与える心理的影響
▶ ストレスと脳の発達
・家庭内で親が頻繁に口論をすると、子どもは 慢性的なストレス を抱えやすくなります。
・研究によると、 長期間のストレスは前頭前野の働きを低下 させ、注意力や記憶力に悪影響を与えることが分かっています。実体験ですが、私も夫と子どもの目の前で喧嘩をしたことがあります。子どもはまだ3歳ほどでしたが、その晩、夜泣きがひどく、きっと喧嘩を見せてしまったことが原因でもあるかもと猛反省しました。翌朝、子どもの目の前で仲直りをしたのですが、その時の子どものホッとした笑顔は忘れられません。(未だ思い出しては猛反省です・・)
現場にも、朝暗い顔で登園してきた子がいました。理由を聞くと「朝、ママがパパに怒っていた」「パパがかわいそう」と言います。もちろん私たちは、各ご家庭に踏み入ったことは聞けませんし、それぞれのご家庭の事情があるということは重々承知しております。その時は、その子どもの話すことを全ておうむ返しで受け止め、「〇〇ちゃんはそんな気持ちだったんだね」「かわいそうだと思ったんだね」と気が済むまで話をしてもらいました。
▶ 安心感と学習意欲
・逆に、 夫婦仲が良好で安心できる家庭 の子どもは、ストレスホルモンが抑えられ、学習意欲が向上する ことが確認されているそうです。
・「自分は守られている」と感じることで、新しいことに挑戦する意欲が湧き、知的好奇心 も育まれます。現場でも、意欲的に物事に取り組む子どものご家庭は、安定した環境を持っていることが多いです。(週末は家族で過ごしたり、決まった時間に食事を取るなどです)これは子どもに関わらず大人だって、心配事がある時にやりたいことに全力で取り組めないですよね。子どもの場合、経験値(解決する道筋の経験値が大人と違うため解決を想像しにくい)の違いからその気持ちの落ち込み度は大人以上だと思っています。
3. ここが重要!!!
▶ 仲直りを見せる
特に、夫婦仲は子どもの国語力に影響があると言われておりますが、人間ですから突発的に喧嘩してしまうことはあると思います!!「子どもの前で喧嘩は良くない!」と分かっていても私もやってしましました。夫婦関係が修復されると、子どもの成績が向上するケースも多い ということも分かっているようなので、仲直りは子どもの目の前で行うことをおすすめします!まだ、表面上は解決していなくても、ここは子どものためにも、喧嘩を見せてしまったのなら、子どもを安心させてほしいと思っています。
- 夫婦でハグして「パパとママは仲直りしたよ。喧嘩しちゃってごめんね」という。
- ハグなんて到底無理というくらいの状態だったら(私もありました)、今の状況を子どもに説明するのでも良いと思っています。(心配を軽くするという意味でも)「仲直りをしたいと思ってるから、ちゃんと時間作ってパパ or ママとお話しするからね」「仲直りしたらまたみんなでお散歩お出かけしようね」など。子どもはとっても敏感で、言葉ではいくらでも言えますが、行動、表情からそれが嘘であると読み取れてしまう子どももいます。
4. 夫婦仲を良くすることで子どもを伸ばす方法
▶ ① 子どもの前での言い争いを避ける
・どうしても意見が合わないときは、子どもの前ではなく、落ち着いた場で話し合う習慣をつける。
▶ ② お互いを「褒める」文化を作る
・夫婦がお互いをリスペクトし、日常的に感謝を伝えると、子どもも安心感を持つ。
・「ありがとう」「助かったよ」といった言葉を増やすだけでも効果あり。我が家は加えて「パパorママがいて嬉しいね!」などと大袈裟にいう。
▶ ③ 一緒に楽しむ時間を作る
・家族でリラックスできる時間を持つことで、安心感が高まり、子どもも前向きな気持ちで学習に向かいやすくなる。
・例:「週末は家族でボードゲーム」「一緒に料理をする」など。
▶ ④ひとり親のご家庭でもできる
・子どもにとって大事なことは安心感だと思います。心から安らげて、周りのことを心配せずに、子どもらしくいられる姿を守ってあげられたら、大人の数は関係ないと感じています。
5. まとめ
・子どもたちにとって「子どもらしくいられるとき」を大人が守ってあげられたらと思い、こちらのテーマにしました。夫婦であれば小さな工夫で夫婦仲を良好に保つことが、子どもの未来を明るくする鍵になりますし、ひとり親のご家庭であれば、子どもに親が一人であることを引け目に思うことは全くなく、素晴らしい子育てをされていることに自信を持って接していただけたらと思っています。
全ての子どもたちが、安心した環境で、本来持っている個性を輝かせて活躍できる世の中になることを願っています。
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